日本の看護師資格だけでは、カナダで働くことはできません。
でも、州で必要な手続きと看護資格試験に合格すれば、
看護資格を取得することができます。
国・州によって、大卒の看護資格が必須のところもあるので、
自分の資格が通用するのか確認することをおすすめします。
また、就労可能なビザや永住権をもっていないと
看護師登録することも、就職することもできません。
国際看護師を目指すと決めたら、
語学の習得と永住権の申請を考え始めましょう。
どの国で国際看護師になりたいか、どんな方法になるのか、
それぞれの国・州の看護協会の決まりを知る必要があります。
まずは気になっている国や働きたい国の規定がどうなっているのか調べてみましょう。
今回はカナダの各州で国際看護師になる方法を紹介します。
日本の看護師資格は、カナダで通用しますか?
日本の看護師です。
日本の看護師免許はカナダでも使えますか?
残念ながら、日本の看護師資格だけでは、カナダで通用しません。
一からやり直すしかないのですか?
いいえ、日本の看護師免許が無駄になるわけではありません。
必要な手続きをして、補習コースを受講すれば、
看護師資格試験を受けさせてもらえます。
国家試験に合格したら働けるんですね。
実はそれだけでは働けないんです…。
永住権やワークビザが必要になるんですよ。
残念ながら、日本の看護師資格だけでは、カナダで働くことはできません。
ただ、日本の看護学校で学んだことが無駄になるわけではありません。
カナダの看護教育と比較して、必要な補習コースを受講し、全ての試験に合格すれば、
国際看護師としてカナダで看護師として働くことができます。
各州ごとに決められた手続きをとる必要があります。
試験もたくさんあり、申請にも時間がかかりますが、
一歩一歩、手続きを進めていけば大丈夫ですよ。
カナダで看護師資格取得したら、カナダ全州で使えますか?
カナダで資格を取得したらどの州でも働けますか?
いいえ、働きたい州の看護協会に登録しなければ働けないんです。
各州ごとに手続きの方法や試験、受験資格などが違います。
例えば、オンタリオ州で看護師資格を取得しても、
ブリティッシュコロンビア州で看護師として働きたい場合は再度手続きしなければなりません。
また、数年間看護師として働かなかった場合、免許が停止され、
再度決められたコースを受講しないと看護師として働くことができません。
子育てや病気などの理由で、看護師として働いていない期間が数年あると、
短期間、また看護学校に通わなければなりません。
州ごとに規定は違いますが、とても厳しいルールですよね。
その点、日本の看護師免許はどの県でも使えて便利。
しかも一度取得すると無期限で看護師免許を保持できるのは利点だなと思いました。
カナダもこうしたら、看護師不足も解消するんじゃないかな…。
私が通っていたケベック州の国際看護師補習コースにも数人のケベック州の看護師さんがいました。
数年間働けなかったので、再度補習コースを受けなければいけないと言っていました。
私たちと一緒に授業を受け、各教科の試験を受けていました。
ただ、受講する科目は少し少なく、実習と国家試験は免除されていました。
カナダで看護師資格取得までの流れ
州ごとに手続きの方法や条件は違いますが、大まかな流れは同じです。
申請を始める前に、どの州で働きたいのか考えてから手続きを始めましょう。
どの州で働きたいか決められない場合は、いくつかの州に同時に申請することも可能です。
その場合、追加料金がかかりますが、後で追加するよりは安くすみます。
また、大卒の看護師でない場合、長期の補習コースを受講することになり、
正看護師(RN)資格取得まで数年かかります。
その場合、RN登録だけでなく准看護師(RPN)の申請を同時にしておくことも可能です。
そうすると、RN資格取得前に、准看護師として働くことが可能になります。
海外からカナダにきた看護師の中には、
RPNの資格を取得してから、RNの申請をするという人も多くいます。
情報をできるだけ収集して、どの州に申請するかよく検討してください。
後で別の州を追加するとなると、申請料金が高くなったり、手続きが遅くなったりします。
最初の申請の時に、いくつか州を追加して申請した方が、費用が少なくてすみます。
オンタリオ州とブリティッシュコロンビア州を同時に申請する日本人ナースは多いようです。
私はケベック州で申請しましたが、他の州については調べませんでした。
ケベック州だけ、申請方法が違います。
別の州に同時に申請するという選択肢はありませんでした。
また、もう10年以上前なので、今は変わったかもしれませんが、
当時は専門卒の正看護師でもRNとして申請することができました。
今回、カナダの他州での手続き方法を調べてみて、
こんなに違いがあるのかと驚きました。
せっかくなので、情報を共有して、どなたかの役に立てたら嬉しいなと思います。
カナダで国際看護師資格を取得する5つのステップ
1、NNASなどに必要書類を提出
日本の看護師免許をもっている場合、ほとんどの州で
まず最初にNational Nursing Assessment Service (NNAS)に必要書類を提出しなければなりません。
ただし、ケベック州では手続きが違い、comparative evaluationの申請をします。
これらは、日本の看護教育がカナダの看護教育と一致するかを評価するものです。
2、希望する州の看護協会に申請
NNASなどの結果と必要書類を各州の看護協会に提出します。
不足している分野があると連絡が来るので、
指定された大学やカレッジで国際看護師のためのクラスを受講します。
看護師免許取得条件が州ごとに違うので、
受講しなければいけない期間や最低限の語学力レベルなどが違ってきます。
3、州ごとに決められた各試験を受ける
州ごとに決められた看護能力試験(選択問題・実技試験)や語学力テストなどを受け、
その結果を提出します。
4、州ごとに決められた看護師資格試験を受験
州ごとに看護師資格試験を受け、
合格するとその州の看護師免許が取得できます。
ほとんどの州では看護師資格試験NCLEX-RNを受験することになりますが、
ケベック州だけは独自の看護師資格試験(筆記試験と実技試験)があります。
5、看護師として就職するにはビザが必要
実際にカナダで看護師として働く場合、ビザが必要です。
ワークビザや働くことが許可された学生ビザ、永住権を保持していないと、働くことができません。
また、看護師資格を取得しても、ビザを保持していない場合、就職することは大変難しいです。
カナダで就職したい場合は、国際看護師の申請を始めるときに、
永住権の申請を同時進行しておきましょう。
まとめ
日本の看護師免許だけでは、カナダで看護師として働くことはできません。
でも、日本の看護学校での授業が全く評価されないわけではありません。
日本の看護学校で学んだこと以外にカナダで必要な知識を得るために、
指定されたクラスを受講すれば、看護師資格試験を受験できます。
国際看護師用のクラスには、日本以外からもたくさんの国際看護師が受講します。
国によっては、日本の看護師よりも多くのクラスを受講しなければなりません。
ちなみに、私が取得したのはカナダ・ケベック州の看護師資格です。
また移民申請したのも、ケベック州です。
これについては、後ほど詳しく紹介したいと思います。
次回からは、州ごとに申請の流れを紹介します。