アルバータ州カルガリーで日本の看護師免許を書き換えるには？
アルバータ州で看護師の書き換えするには、一次申請と二次申請があります。
できる限りの範囲で調べてみたので、参考にしてみてください。
アルバータ州で看護師をしている日本人は少なく、情報収集は難しいです。
カナダでフィリピン人ナースやインド人ナースは多く、
情報収集しやすいのは羨ましいです。
カナダでは国家試験に3回試験に落ちると、看護学校に行き直さないといけません。
国家試験に2回落ちてしまった時は、
最後の試験を他州で受けてみる看護師も多いと聞いたことがあります。
また、オンタリオ州よりもアルバータ州の方が、
試験に合格しやすいという噂を聞いたことがあります。
実際に、フィリピン人のクラスメイトは、ケベックの国家試験に2回落ち、
3回目はアルバータ州で受け、今はカルガリーで働いています。
最近ニュース（2022年10月現在）で、
ケベック州とオンタリオ州でRN（正看護師）の資格を取得した、
フィリピン人ナースの話を読みました。
今はオンタリオス州でRNとして働いて、家族はマニトバ州に住んでいます。
マニトバ州で看護師として働きたく、
マニトバ州の看護協会正看護師評価プログラム試験（実技試験）を受験しました。
しかし、不合格となり、マニトバ州で看護師をしたい場合は、
再度学校に通い直さなければならないと言われたそうです。
この試験の合格率は１割だそうです。
実技試験はどの州でもあるの？
そうだね。看護師能力の評価を目的とするもので、
試験に落ちたら、補習コースを受講しないといけなくなるよ。
アルバータ州の試験は他と比べてどうなの？
噂では、オンタリオ州より簡単だって聞くけど、
実際は申請してみないとわからないよね。
同じカナダ国内でも、州によって規定が異なり、
他州では資格が通用しないという場合があります。
看護師不足の今、資格に対する規定変更を期待するしかできませんが、
規定を変更していくのは難しいだろうというニュースを読みました。
州ごとに厳しい決まりがあり、
カナダ人看護師でも他州で働きたい場合は苦労しているようです。
教育内容を統一して、どの州でも働けるようになる日が来るといいですよね。
さて、今回はアルバータ州での国際看護師申請方法を調べてみました。
最初にNNASに申請するところは他州と同じです。
アルバータ州で看護師として働きたい場合、2段階の申請手順にそって申請します。
アルバータ州で国際看護師になるには？
アルバータ州で国際看護師になるには、
まずカナダのNNAS（National Nursing Assessment Service）に書類を提出します。
それをアルバータ州の看護協会CRNA(College of Registered Nurses of Alberta)に申請します。
その後、補習コースの受講や各試験を受け、合格すると看護師免許が取得できます。
それぞれの手続きの詳細をみてみましょう。
アルバータ州での国際看護師申請の流れ （一次申請）
1. NNAS（National Nursing Assessment Service）に書類を提出
最初の手続きは他州と同じで、NNASに書類を提出することから始めます。
NNAS手続きの詳細は過去記事で読めます。
2. CRNA（アルバータ州の看護協会）に登録と申請
- オンラインアカウントを作成
- 身分証明書の提出
- 適性検査
- Verification of Registrationフォーム提出（看護学校修了、看護師試験、経歴年数などを記入）
- 実務経験
過去５年間のうち1125時間の実務経験が必要
過去5年以内に看護学校を卒業して働いている場合、何時間実務経験があるかを提出 - 現職の雇用主にCurrency of Practiceフォームへの記入を依頼する場合がある
- NNASから提供された看護教育プログラムの書類の確認
- 国際正看護師の申請費用は最初に$173.25CAD支払い、その後$401.10CAD支払う（2022年現在）
3. 英語能力の証明
以下のいずれかの条件を満たすことで、英語能力を証明する必要があります。
１）RN、NP、RPN、LPNとして、
過去2年以内に1,125時間の英語での勤務を修了していること。
２）過去2年以内に英語による看護プログラムを修了していること。
RN、NP、RPN、LPNの場合、少なくとも2年間のフルタイム学習である必要があります。
３）認可された英語能力試験は２つあり、過去2年以内に受験した結果を提出します。
CELBAN (Canadian English Language Benchmark Assessment for Nurses )
| 試験方法 | 対面またはオンライン試験とバーチャル面接 |
| 必要な英語能力 | Speaking: 08 Listening: 10 Reading: 08 Writing: 07 |
IELTS (International English Language Testing System)
＊この英語能力試験は、LPNなどのコースをカナダで受講した場合、免除される場合があります。
| 試験方法 | 対面 |
| 必要な英語能力 | Overall band score: 7.0 Speaking: 7.0 Listening: 7.5 Reading: 6.5 Writing: 7.0 |
英語能力試験結果が免除されることもあるの？
英語で就学、就労した場合に免除されるよ。
4. CRNAの審査と補習コース
一次申請の結果、CRNA からブリッジコースや補習コース、
ARNAP（アルバータ州看護能力試験）を受けるよう指示される場合があります。
補習コースの一例:
| 場所 | Mount Royal University (MRU) |
| コース名 | Bridge to Canadian Nursing |
| 受講費 | 約$6,000CAD以上 |
| 期間 | 入学希望者が多いため待機時間があります。 ブリッジコースは12−15ヶ月かかります。 |
| 場所 | The University of Alberta |
| コース名 | the U of A Workshop for Internationally Educated Nurses |
| 受講料 | 約$5000CAD以上 |
| 期間と内容 | プログラムは約10カ月かけて修了します。 1週間のオンライン学習 2週間の看護シミュレーションセンターでの学習 プログラムの最後に、6週間から9週間の実習 |
MacEwan Universityまたは他の教育機関で、
専門科目（産科、小児科、精神保健、地域保健など）を
受講しなければならない場合もあります。
その場合、成績証明書が必要な場合や待機時間が発生する場合があります。
各コースの修了には最大４ヶ月かかります。
5. 看護能力試験
アルバータ州正看護師評価試験ARNAP（Alberta registered nurse assessment program）は、
年2回開催されます。
カナダの看護レベルと比較し、看護能力やスキルに差がないか評価することが目的です。
選択問題 MCQ (Multiple Choice Exam)と
模擬試験 OSCE (Objective Structured Clinical Examination)があります。
受験料: $1900CAD
ARNAP試験の後、仮免許の申請ができます。
| MCQ | OSCE | |
|---|---|---|
| 時間 | 110分 | 160分以上 |
| 試験内容 | 約71問の選択問題 3択4択の中から選ぶ | 12個のケーススタディ ・各ケース２分で看護記録を読む ・各ケース７分でケアプランを考え実行 ・各ケース最大４つの口頭試問を受け終了 |
アルバータ州での国際看護師申請の流れ（二次申請）
CRNAから、二次申請に進んでよいというレターが届いたら次の申請に進めます。
１、政府発行の身分証明書の提出
２、犯罪歴チェックと手数料CADの支払い
３、適正検査
４、教育課程修了の確認
５、Verification of Registrationフォームの提出
看護学校修了、看護師試験、経歴年数などを記入
６、実務経験
過去５年間のうち1125時間の実務経験が必要。
過去2年以内にカナダでブリッジコースを完了している場合は、
この条件を満たしているとみなされます。
７、英語能力の証明
以下のいずれかの条件を満たすことで、英語能力を証明する必要があります。
１）RN、NP、RPN、LPNとして、
過去2年以内に1,125時間の英語での勤務を修了していること。
２）過去2年以内に英語による看護プログラムを修了していること。
RN、NP、RPN、LPNの場合、少なくとも2年間のフルタイム受講が必要です。
３）英語能力試験（CELBANかIELTS)の、過去2年以内に受験した結果を提出します。
８、必須コースの受講
カレッジコネクトで２つのコースを受講しなければなりません。
料金は無料です。
１）2時間半の「Protecting Patients from Sexual Abuse and Misconduct」コース
4項目を完了すると修了証書が発行されます。
２）「Jurisprudence 2020」コース
Health Professions Act (HPA)の看護業務の規制について受講します。
９、看護師試験(NCLEX-RN) の受験
看護師資格試験 (NCLEX-RN) を受験するための
Pearson VUE の登録料$360 CAD+taxを支払います。
試験を受けるまでの間、看護師として働くことができるよう、
CRNAが仮免許を発行してくれる場合もあります。
１０、雇用主の推薦状を提出
直近のRN/NPマネージャーまたはスーパーバイザーが、
Employer Referenceフォームを提出しなければいけない場合があります。
１１、CRNA登録
CRNAに登録料($503.89CAD)を支払うと、
Canadian Nurses Protective Society (CNPS)から、
専門職業賠償責任補償を受けることができます。
登録料は年会費で、毎年9月に更新されます。
専門職業賠償責任保険($48CAD)に加入します。
まとめ
アルバータ州で看護師になるには情報が少なそうだね。
今回調べてみて、日本語で情報を得るのは難しかったよ。
英語ができないと情報収集も大変だから、
何か困ったことがあったら連絡してね。
アルバータ州で看護師になるには、情報が少ないので、
実際に申請を始めてみないとわからないと思います。
英語能力試験に関しては、英語で就学、就職していれば免除されるというのは助かります。
どの州にも看護協会の実技試験があり、
その壁を越えないと国家試験に辿り着けないようですね。
ちなみに、ケベック州では、看護師資格試験 (NCLEX-RN) ではなく、
実技試験と筆記試験が国家試験になっています。
看護師の登録や就職には、永住権が必要になってきます。
カナダで看護師に書き換えたいと思ったら、永住権についても調べてみてください。
