日本で看護師資格を持っていて、
オンタリオ州トロントでも看護師として働いてみたいと思いませんか?
でも、国際看護師の手続き方法が難しく、
実現するのは難しいと諦めてしまう方も多いかもしれません。
国際看護師に興味がある方の為に、
手続きの方法や正看護師、准看護師について調べてみました。
簡単な手続きではありません。時間もかかります。
でも、やりたいと思った時がチャンス。
ワクワクする気持ちを大事に、チャレンジしてみましょう。
年々手続きなど難しくなってきてるし、費用もどんどん高くなっているよ。
いつかより今が一番のタイミングじゃないかなぁ。
今回は、オンタリオ州で正看護師になる方法について紹介します。
オンタリオ州トロントで看護師になるには?
オンタリオ州トロントで正看護師(RN)になるには、
日本の4年制看護大学を卒業している必要があります。
また、州の看護能力試験IENCAPとカナダの国家試験NCLEXに合格しなければなりません。
ただし、能力試験や英語力試験を免除してもらえることもあります。
日本で3年制の専門卒だと、カナダで正看護師として働けないの?
そうなんだよ。
正看護師(RN)になりたい場合、大学に行かないといけないよ。
それか、准看護師の道に進む方法もあるよ。
日本の専門卒の場合、大学に通う必要があります。
正看護師への道のりが長くなりますが、選択肢はたくさんありますよ。
その中から選び、着実に進んでいけば正看護師になれます!
もし専門卒の私が正看護師の道を目指すとしたら、
まず国際看護師を対象にした2年間の准看護師の学校に通うと思います。
在学中に看護技術だけでなく、医療英語も向上させ、大学編入を目指すと思います。
こういう学校に通うと、日本人にとってとても難関な語学力テストが免除になります。
選択肢の一例
- 准看護師資格取得→大学で補習クラス受講→NCLEX(正看護師国家試験受験)
- 准看護師資格取得→就職
- IENCAP(実技筆記試験)合格→NCLEX(正看護師国家試験受験)
准看護師の資格試験に合格すれば、大学に通いながら働くことができます。
または、まずは准看護師として働き、
生活費や授業料を貯めてから、大学編入をする方法もあります。
正看護師を目指さず、准看護師として働くこともできます。
准看護師の資格があるだけで、選択肢が無数になりますよね。
日本の看護大学を卒業している場合でも、
カナダの大学やカレッジで国際看護師に提供されている補習コースを受講する必要があります。
それぞれの手続きの詳細をみてみましょう。
オンタリオ州での国際看護師申請の流れ
最初の手続きは他州と同じで、NNASに書類を提出することから始めます。
最初のステップは他州と同じだね。
そうだね。ケベック州以外はNNASの手続きから始まるよ。
1. NNAS(National Nursing Assessment Service)申請
NNAS手続きの詳細は下記記事で読めます。
2. オンタリオ州看護師協会(CNO)に申請
1、看護教育評価とIENCAP試験
オンタリオ州で看護師になるためには、
必要な看護教育を受けたことを証明する必要があります。
そのための試験がIENCAPです。
Internationally Educated Nurses Competency Assessment Program (IENCAP)は、
カナダ国外で受けた看護教育、看護能力、
看護技術をオンタリオ州の看護教育と比較し評価します。
IENCAPが実施する試験は、年に3回開催されています。
カナダで看護大学に通うとこの試験は免除されます。
この試験は合格率がとても低いと言われています。
この試験は、2つのパートで構成されています。
選択問題MCQ(multiple-choice questionnaire)
実技試験OSCE(Objective Structured Clinical Examination)
今までは両部門とも、同じ日にトロントにあるTouchstoneのオフィスで
5時間半から6時間かけて行われていました。
今は、バーチャルでも受験が可能です。
The Virtual MCQ と In-person OSCE の受験費用はCAN $1,500で、
The Virtual MCQ と Virtual OSCE の受験費用はCAN $1750です。
(2022年12月現在)
MCQ(Virtual) | OSCE (Virtual or In-person) | |
---|---|---|
時間 | 110分 | 3時間以上 |
試験内容 | 最大97問の選択問題 3−4択問題 | 12個のケーススタディ 各ケース13分で実施 |
2、看護師実務経験
看護師として働いた過去3年の実務経験を証明する必要があります。
下記の内容を含めた証明書を提出します。
- 過去の看護職(例:スタッフナース、研究者、教育指導者)
- 実践の場(例:長期介護、急性期病院、入院患者など)
- 患者層(例:老年科、小児科など)
- 看護師登録証明書
- 職務経歴書
注:2021年3月10日現在、
Touchstone Instituteで行われるIENCAPの試験に合格したRN申請者は、
実務経験の要件を満たしているとみなされます。
3、看護師資格試験(NCLEX-RN/REx-PN)
RN申請者は、NCLEX-RNに合格する必要があり、
RPN申請者は、REx-PNに合格する必要があります。
4、看護師法医学検定試験(RN/RPN Jurisprudence Examination)
この試験は、オンラインで受けることができ、受験料を支払うと試験が開始します。
申請中いつでも受験でき、また受かるまで何度でも受けられます。
参考書やオンライン資料(例:法律、規制、カレッジの実践基準など)を
参考にしながら試験を受けられます。
ただし、試験範囲が広範囲で、時間制限もあるため、
前もってサンプル問題や参考書を読み準備しておく必要があります。
試験名 | RN/RPN Jurisprudence Examination |
受験費用 | $40CAD |
受験時間 | 3時間15分 |
問題数 | 150問の選択問題 |
場所 | オンライン |
内容 | 看護規制、業務範囲、専門家としての責任と義務、 倫理的行動、看護師とクライアントの関係について |
5、英語またはフランス語の語学力試験
2年以内に受けた語学力テストの結果を提出するか、
カナダで看護学校を受講した場合や英語か仏語での看護師実務経験がある場合は、
その証明書を提出することで、語学力テスト結果の提出を免除されます。
英語能力試験結果が免除されることもあるの?
英語で就学、就労した場合に免除されるよ。
1)看護学歴証明書
RN、NP、RPN、LPNなどの看護教育プログラムを
英語か仏語で修了した証明書の提出。
プログラムには理論と臨床実習が含まれていることが必要です。
必要書類:言語能力確認書
言語能力証明のために看護学歴証明書を提出します。
2)看護実務経験証明書
英語またはフランス語での看護師としての実務経験がある場合、
指定されているフォームで言語能力証明のために看護実務経験証明書を提出します。
実務経験には、臨床と非臨床が含まれます。
有給とボランティアの両方の実務経験が考慮されます。
3)認可された英語能力試験は2つあり、過去2年以内に受験した結果を提出します。
CELBAN (Canadian English Language Benchmark Assessment for Nurses )
試験方法 | 対面またはオンライン試験とバーチャル面接 |
必要な英語能力 | Speaking: 08 Listening: 10 Reading: 08 Writing: 07 |
IELTS (International English Language Testing System)
*この英語能力試験は、LPNなどのコースをカナダで受講した場合、免除される場合があります。
試験方法 | 対面 |
必要な英語能力 | Overall band score: 7.0 Speaking: 7.0 Listening: 7.5 Reading: 6.5 Writing: 7.0 |
6、看護師として働くための必須条件
市民権や永住権、ワークビザ、学生ビザなど、
働くことが許可された在留資格を保持していることと、
看護師免許の提出が必要です。
7、犯罪経歴証明書の提出
1)犯罪経歴についての質問表
これまでに有罪になったことがあるか、
登録を拒否されたことがあるかなどを正直に記入する必要があります。
2)犯罪経歴証明書
オンラインで警察犯罪経歴証明書を提出します。
現在、紙での提出は受け付けていません。
Sterling Talent SolutionsのmyBackCheckアプリから申請します。
8、健康状態の申告
看護を実践するのに影響を与える可能性のある身体的または精神的な障害の有無を申告します。
9、費用の支払い
一部の費用のみ適用される場合があるので、正確な金額が請求されてからお支払いください。
支払い方法はクレジットカードのみです。
費用の例:
准看護師(RPN)申請料$339CDA、登録料$395.50CAD、年会費$361.60
看護師(RN)申請料$339CDA、登録料$406.80CAD、年会費$361.60
3. 補習コースの受講
いくつか方法がありますが、今回は多くの日本人看護師が受講しているコースを紹介します。
1)George Brown College
このプログラムは、大学へのブリッジコースです。
終了すると、RPN(准看護師)の資格試験を受験できます。
RN(正看護師)を目指す場合、
卒業後に看護大学のRNコースへ編入する事が出来ます。
また、看護学歴証明書を提出すれば、語学力試験が免除されます。
費用は永住権保持者の場合で約10,000CAD以上必要になります。
永住権がない場合は、この数倍と高額になります。
場所 | George Brown College |
コース名 | Nursing for Internationally Educated Nurses |
受講費 | 約$10,000CAD以上 |
期間 | 約2年 |
2)Metropolitan University(Ryerson Universityから名称変更)
George Brown Collegeのブリッジコースを卒業後に通えるRN編入コースです。
卒業すると看護師学士取得(BScN)を取得できます。
受講料は永住権保持者の場合、年間約$7.200で、2年のコースです。
永住権がない場合、留学生の受講料はこの数倍となります。
場所 | Metropolitan University |
コース名 | Post-Diploma Degree Completion Program in Nursing (BScN) |
受講料 | 年間約$7200CAD(永住権保持者) |
期間 | 2年間 |
まとめ
日本で正看護師であっても、トロントで准看護師になる人もいるの?
カナダ国外で正看護師をしていた人の多くは、
准看護師から始める人が多いたい。
遠回りしているようで、一番近道なのかもって思ったよ。
トロントでRNになるには大卒の必要がありますが、
日本で専門卒の場合でも、
必要なコースを受講すれば、正看護師になることができます。
正看護師として働きたいという夢のためなら、
准看護師の学校に通い、英語のスキルも磨き、
いずれ大学に編入して、正看護師の道を目指すのもいいと思います。
長い道のりになりますが、いい経験にもなるし、
語学力も伸ばすことが。
生活のためにもすぐに看護師として働きたい場合は、
准看護師の資格をとり、働くのもありです。
働いてみてから、正看護師を目指すのか決めてもいいと思います。
それに、准看護学校を卒業すると、数年間働けるワークビザがもらえるので、
その期間に准看護師として働き、永住権の申請をする方法もあります。
「せっかく正看護師の資格があるのに」と考えてしまう方も多いと思います。
日本の正看護師がこちらの准看護師なんだと思ってしまえば、
気が楽になるような気がします。
英語で看護師の仕事をするなんて、すごいことだと思いませんか?
正看護師を目指すにしても、准看護師の経験は無駄にはなりません。
迷っていたら、まず簡単に進める方向に進んでみるのもいいですよ。